女性のエンパワーメントを目指して 「OSAKA WOMAN TALK PROJECT」が発足

大阪市中央区に本社を構えるタカラベルモント株式会社は、女性のさらなるエンパワーメントを目指し「OSAKA WOMAN TALK PROJECT」を発足。3月7日、TB-SQUARE osakaで発足記者会見を行った。

 

「美しい人生を、かなえよう」を企業パーパスとして掲げ、理美容機器や医療用機器、化粧品など美と健康に関わる幅広い商品を製造・販売するタカラベルモントは、4年前から地元大阪でSNSでのメッセージ発信やトークイベントを開催するなど国際女性デー(3月8日)に取り組んでいる。しかし、「真の女性のエンパワーメント」の実現には多くの課題が残る現状を踏まえ、「企業内外での対話と議論を健全化させ、多くの人に、少なくとも年に1回は女性のエンパワーメントについて考える会話をしてほしい」との思いからプロジェクトを立ち上げた。

記者会見には、ゲストとして、本プロジェクトに賛同している、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーの音楽家、数学者、株式会社steAm CEO・中島さち子氏と、2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会エキスパートのNPO法人「女性と仕事研究所」代表理事・諸田智美氏が登壇し、タカラベルモント人事部の野村由香氏とともにトークを繰り広げた。

生まれが大阪という中島氏は「大阪の女性はエネルギッシュ。でも、女性をめぐる課題はまだまだあると思う。このプロジェクトをきっかけに話をする場ができ、そこで対話が生まれて、社会が動いていく。大阪の女性から盛り上げていくのは、すごく素敵な取り組みだと思う」と話した。

中島さち子さん

女性のエンパワーメントにおける課題について、諸田氏は、「10年間の活動を通して実感しているのは2つある。1つ目は男性が働いて、女性が家事・育児を担うという根強い性別役割分担意識。2つ目は、根拠のない思い込みである無意識の偏見、アンコンシャス・バイアスだ。具体例を挙げると、女性が育休を取るのを不安に思う場合、会社側に性別役割分担の風土があることが考えられる」とし、男性が同様の不安を持つ場合も同じだと指摘した。

諸田智美さん

この意見を受けて、中島氏は「アンコンシャス・バイアスは女性側にもあり、無意識に選択を諦めることもある。まず、それに気付く機会が求められている。ぜひ、一緒に活動できれば」と提案した。

また、ジェンダー平等について、数学者でもある中島氏は「OECD(経済協力開発機構)の加盟国の中で、高等教育機関に進んだ研究者の女性の割合は、自然科学、工学の分野において日本は最下位。たまたまではなくて、いろいろな障壁があるからこそだと思う。そこに気付いてアクションを起こすことや、互いに頼り合えるコミュニティが必要」と話した。

野村由香さん

野村氏は、「人事部では多様な人材が自由に自律的にキャリアを選べる環境づくりが大切だと考えているが、当社にとっても女性活躍の推進は大きな課題。残念ながら女性役員はまだおらず、女性の管理職の割合も6.9%と課題は山積みだ」と現状を述べ、「スライド勤務や在宅勤務など柔軟な勤務体制を選べたり、男女ともに育児休業の推進を行ったりはしているが、これからはプロジェクトにも取り組みながら改善していきたい」と今後の目標を語った。

 

プロジェクトの具体的な活動については現在構想中で、大阪のほかの企業にも声を掛け、対話や共感の機会を増やしていく予定だという。

 

 




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